【リスクを求める人の頭の中に何がある?】

おはようございます。

「おもろい!」から世界を変える
「しぐさ」と「ことば」の専門家、
神崇仁です。

 

いよいよ明日、東京でワークショップです。

 

福岡、大阪と大好評だった
ココロのプログラムを可視化して
関わりの柔軟性を
手にすることができる。

 

そんな2つのワークショップが昼と夜にあります。
ぜひお越しになってください!

 

 

さて…

 

最近、部下との関わりが上手くいかないんです。
そう話し始めたクライアントの心の中にあった
強固な考え方、このことを『ビリーフ』と言いますが、
彼のビリーフは次のようなものでした。

 

『例外を一つ許すと、あとは
 どんどんなし崩しになってしまう。』

 

もしあなたが部下にこう言う相談を受けたら、
あなたはどう答えますか?

 

あるいは、どうやって相談に来てくれた人の
強いこだわりのある心の中の考えを、
緩めて、柔軟性をもたらしていくでしょうか?

 

僕はビリーフを耳にするときは大抵、
その蓋然性の高さを疑います。

 

蓋然性はある物事が起きるかどうかや、
そのことが真実か否かの確率の程度を言います。

 

ビリーフというのは、人生のなかで味わう、
経験という時間を動いていくためのルールです。

 

ただ動くだけでなく、いちいち判断に悩むことなく、
スムーズに目的を達成して、生きやすい状態を生み出す
とても重要な考え方なんです。

 

ですが、ルールです。

 

ルールとは一度設定されたら、
ルールに従って経験を判断するのみ。

 

ルールそのものが「正しいかどうか」には
もはや考えが及ばない、のが、ルールの特徴なのです。

 

私たち忙しい人間はみな、人生のルールは
何度も経験した上での教訓と言うよりは、
たった一度、あるいは数回経験しただけで、
似たような経験には同じ意味をつける、
リアリティチェックがほとんど
なされていないというのも、
ビリーフの特徴です。

 

そしてビリーフは、情報の濾過器として、
脳に入ってくる情報を操作します。

 

具体的には、そのビリーフに当てはまる情報だけを、
意識に上げ、そのたびごとに、
ビリーフは正しかった…
とビリーフそのものを強化する情報だけを
選り抜いて意識に上げるという特性があります。

 

レオン・フェスティンガーという心理学者は、
人が自分の中に矛盾する情報を抱えたときに
共通して起こる反応を特定しました。

 

『認知的不協和』と呼ばれるものです。

 

このフェスティンガーの考えでは、
『例外を許すと、後はなし崩しだ』
つまり、『例外は認めない』という
考えを事前に持った人が、
『例外を許したが、
 組織は上手く機能した』
という事実を手にした時、
その人はこの矛盾した事実を
受け入れるために、選択を迫られます。

 

認識を変えるか、行動を変えるか、
の選択です。

 

『例外を認める』か、
上手く機能した、という事実そのものを
無視するか、歪曲するかです。

 

多くの場合、人は
一度口にしたことを
継続して行う傾向があります。

 

社会心理学で言う、
『一貫性の法則』です。

 

その一貫性に縛られて、
行動を変えることを避けようとします。

 

ですから、この場合も
例外を認めるという行動に変更するより、
この事例をなかったことにする方向に
働くのです。

 

もちろん、意識的にではなく、
無意識的にです。

 

その人が嘘をつこうと
決めたのではありません。

 

その人本人ですら、気づかない間に、
素早く自動的にこの情報処理がなされ、
事実はあたかもなかったように
記憶の片隅に放置されるのです。

 

Nameさん、もし私たちが、
強いビリーフを持った相手に関わる時、
彼らが自分の強い考えを
頑なに主張したとしても、
それは彼らが頑固で石頭なのではなく、
認知的不協和を解消するための
ココロの働きが自動的に起こっているのだ、
そう考えてみてはいかがでしょうか?

 

相手の存在に否定的なレッテルを
貼る代わりに、その人の持っている
ビリーフの有効性について疑いの目を向け、
それを敵対的なやり方でなく、
双方が興味深く探求できるようなやり方で
ビリーフの穴…つまり例外を探し出すのです。

 

なので彼の持っているビリーフにも
当然例外があるにちがいない。

 

そう考えて、彼にこう聞いたんです。

 

「今まで、ルールを破ったのに、
 組織が崩壊しなかった。
 ルールを破らなかったけど、
 組織が崩壊してしまった。
 そんな経験にはどんなものがありますか?」
と。

 

彼は教えてくれました。

 

「もちろん、オープン前後はバタバタしていたので
 全員がここの判断で、正しいと思えること
 『お客さまにとって価値のあること』を優先しよう。
 そう話し合ったことで上手くいきました。」

 

そしてもう一つの問いに
彼が答えようとしたとき、
はっきりと彼に表情の変化が起きたのです。

 

「今気づいたのですが、
 僕がルールの例外が起きないように、
 決まり事に固執している間に、

 
 みんなが自分の意見をだんだんと
 言わなくなってきていたんじゃないか?
 自分に報告せず、問題なさそうなら
 勝手にやってしまってたのかも…
 今回のことも、そのひとつかも。

 

 神さん、そう考えると、
 ルールは保たれているけど、
 チームはもはやひとつになってない…」

 

彼は落胆を隠しませんでした。

 

「でもどうしたら…、
 どうしたら良いんでしょう。」

 

「ねぇ。くだらないこと聞いて良い?
 あなたはものごとを決めるとき、
 これからすることの手順や流れが
 ひとつひとつ分かった方が、
 安心して仕事ができると
 感じる人なんじゃないかな?」

 

「はい。そうです。
 でもどうしてそれが分かるんですか?」

 

「それは後で説明するとして、
 あなたの部下は、何かを話しているとき、
 いろんな方向に話が拡散したりしない?

 

 あれもできる、これもしたい!
 そんなアイデアを
 教えてくれたりしないかな?」

 

「確かに、まぁそのほとんどは、
 実現不可能なものですけどね。
 彼女は飽きっぽいというか、
 移り気というか…」

 

「ねぇ、もしあなたが彼女のことを、
 『飽きっぽい』とか考えているなら、
 彼女もあなたのことを、
 『融通が利かない』『頑固な上司』
 って思ってるかもよ。」

 

「あ…、確かに。」

 

「興味深いなぁと思うのは、
 もしもあなたが彼女を飽きっぽいと
 捉える代わりに、あなたとは、
 異なる思考プロセスを持っている
 人間と捉えてみたら
 どんな関わりの違いが
 生まれるだろうか?」

 

 「何かを決断する理由が、
 あなたのように、
 これからの流れが明確で、
 どうしたら結果に早くたどり着く、
 という安心を求めるのとは違って、
 冒険というか、チャレンジというか
 自分が思い描く未来に向かって
 進んでいくことに興味がわく人…

 

 アイデアの中身がどんなレベルであれ、
 ある情報を手にした時、
 習慣的に、無意識的にどうすべきか、
 よりも可能性の方に意識が向き、
 それをアイデアに自動的に変える
 思考プロセスを持っている人だと
 とらえたら…」

 

このことを話したとき、
彼はあることをしてこなかったことに
気づきました。

 

そして落胆が希望へと変わり始めます。

 

あなたが誰かと関わる時、
あなたと合わない気質、
性格と捉える代わりに、

 

変化は可能だけども、
今はそのことに気づいていない
異なるココロのプログラムを持った人
として捉えて、
関わってみてはいかがでしょうか?

 

この話は次回の投稿に続きます。
今日もあなたの関わりに
価値のある経験がもたらされますように。

 

では!
いってらっしゃい!

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