昨日は感動心理の講座の日。
ですが、昨日の講座は共同講師で
マーケティングの第一人者、
北野哲正さんの担当の日。
なので、一日中、
週末に開催するヒプノナッジの
準備をしていました。
エリクソン催眠をベースにした会話術。
何かを直接指示する代わりに、
誰かが自動的に行動するように
誘う会話の作り方。
それを学べば学ぶほど、
世の中の常識って間違えてる。
そう思います。
例えば、
コミュニケーションを
“キャッチボール“という
メタファーで話す人がいますよね。
あるいは、
テニスや卓球のラリーのように
“ストローク”という表現をする人も。
確かに、
誰かに何かを伝える。
そのために誰かの話を聞く。
そこには
『伝えるvs.聴く』という
スポーツでいう攻守という
メタファーの前提があります。
この考えはギリシャ時代の
アリストテレス以来
何百年も信じられてきました。
アリストテレスは、
聞き手を説得するために
エトス・ロゴス・パトス
信頼性、論理性・情緒性の
3つが重要だと主張した人です。
ところが、20世紀半ばに、
ある文化人類学者が発見したのは、
コミュニケーションは
一方向のやりとりではない。
コミュニケーションは
一度に双方向のやり取りが起きる
しかもそれだけでなく、
一度に複数のレベルで、
コミュニケーションメッセージが
送られるということを
発見したんです。
どういうことか。
例えば、
あなたが今日1日の
楽しかったことを
ウキウキしながら
誰かに話すとします。
その時に、
相手の人が、
『うわのそら』だったり
『ふっ』とバカにした声を出したり、
貧乏ゆすりをして、
早く終わって欲しそうに
イライラして見えたら
一体あなたのウキウキはどうなるでしょう?
間違いなく、
気持ちは萎えるはずです。
つまり、
伝える側のあなたが、
伝えている最中に、
相手の非言語表現を解釈して、
それについて影響を受けて
自分の気持ちが変わってしまったのです。
ボールを投げる側のあなたが
ボールを受け取る側の
相手の反応にびっくりして
コントロールを失ったようなものです。
さらに、
ウキウキ話している時に、
全然こっちを見てくれないし、
「うーん」
「ふう~ん」
といった気のない返事が
気になって…
「ちょっと聴いてる?」
そう伝えたら、
「聴いてるやん、なんかあかん?」
と伝え返されたりして…
どんどん雰囲気は悪くなるばかり。
うんうん、
ふぅ~ん
これらの声のトーンが、
『聴いてる』状態とは
正反対の情報を話してに提供する。
「ごめんなさい」と謝っているのに、
全然ごめんなさいじゃない表情、
例えば不貞腐れてたり、
イライラしてたり、
そうすると、
「ごめんなさい」が伝わらない。
そう。
伝える
も
聴くも
言語と非言語の二つのレベルで
一致していることが
重要なのです。
エリクソンはこれを
“マルチレベルコミュニケーション”
と言いました。
僕たちが伝える
『聴く』という行為は、
最強や9割を
主張するのではなく、
どうやったら
『聴く』が正しく伝わるか、
を実践するものなんです。
では!