さて、昨夜ある中古本が届きました。
今から30数年前の雑誌です。
1冊まるごと
催眠術の特集が組まれた本、
“IMAGO“ 1990.年8月号
300ページに渡って
さまざまな著名人たちが
催眠について語っています。
その中に
催眠誘導についての章があります。
予想はしていたものの、
見て…驚きました。
そのやり方たるや…
非常に形式的(儀式的)な
催眠のやり方です。
催眠をすると告げ、
催眠の誤解を時、
催眠感受性をテストする。
そして催眠状態を引き出す
いくつかの技法を使う。
そうやって順序立てて、
誘導していくのです。
そしてさらに驚いたことに、
最も重要な『変化の暗示』の部分が
書かれていないのです。
催眠状態にして、
そして解催眠(催眠を解く)。
本当はこの間に、
変化のための暗示を入れるのが、
形式的な催眠技法、つまり
古典催眠のやり方です。
でも、あまり知られていませんが、
このやり方こそ、あの精神分析の父、
フロイドが催眠から離れていった、
一つの大きな問題があるのです。
フロイトは、自分の著作で
こう述べています。
「催眠の効果は際立っており、
短期間のうちに現れるが、
しかしその効果は持続せず、
また、医者と患者の人間関係に
依存するところが大きすぎる。」
のだと。
その後も後催眠暗示の導入の仕方、
そしてそれ持続のさせ方を
催眠術は発展させることは
ありませんでした。
唯一、
変化の方法を具体的に探究したのが、
ミルトン・エリクソンでした。
エリクソンは、
外部から入れる催眠暗示ではなく、
クライアントの内側にすでにある
クライアント自身の興味や
リソースを使って、
それを未来の変化に結びつけました。
これを
ユーティライゼーション
と呼びます。
エリクソンの最も優れた部分は、
相手の中にある変化の要点を見つけ、
それをテコにして、
問題を解決に結びつける。
晩年、そのやり方を
自分のお弟子さんに伝えました。
ジェフリー・ザイク
スティーブン・ギリガン、
ビル・オハンロン…
彼らは、それぞれの視点から、
エリクソンの変化の技法を
後世に伝えるべく、
体系化しています。
彼らから学んだ僕も、
完全ではないものの、
その変化の技法を継承して、
必要としている人とともに
探究していきたい。
そう考えています。
7/18(日)マンスリーウェビナー、
うちなるメンターと繋がる
『エリクソン催眠セッション』
は、たった1日で80名を超えました。
どうぞお見逃しなく。