
『エリクソニアン・アプローチ体験会』
「エリクソニアン・アプローチ〜初級編〜」では、エリクソンの考え方、今まであまり知られていなかったエリクソンの実際に話したこと、あるいは書かれたことなどを、日本では書籍化されていない情報や映像などを通して、エリクソンの考え方を紐解いて紹介していきます。
その考え方から、エリクソンが具体的に人と関わるときに使う言語や非言語の使い方を探求し、
身につけていくものです。
エリクソニアン・アプローチは、多くの皆さんが思っているように必ずしも「催眠」だけではありません。
普段の会話やスピーチなど、日常的なコミュニケーションの中でも使うことが出来ます。
そして、それを習得するトレーニングにおいては「トランス誘導」という文脈を設定して、
スキルを体験し習得していきます。
その理由は、次のようなものです。
日常会話では、コミュニケーションというものは双方向でなされるため、スキル習得という観点からは、
最適ではないと考えています。
対照的に「トランス誘導」という文脈は、一方が他方に対して語りかけるという
普段ではないコミュニケーションの形態です。
そして、一方的なコミュニケーションですが、その質を左右するのは聴き手側の
内的な世界観なのです。
ですから、催眠を学ぶ方であっても、トランス誘導というのは、非常に難しく、
何を話して良いか戸惑うものであったりします。
トランス誘導の実践をしていき「エリクソニアン・アプローチ」を使いこなせる
ようになることによって、いつの間にか日常でも使えるようになっているという自然な流れが生まれます。
つまり、「トランス誘導」を実践しながらも、実際には、それを通して
日常に活かして使えるようになっていく為のトレーニングをしているのです。
「コミュニケーション」に「催眠」は必要ではありませんが、
催眠を導入していくプロセスが、コミュニケーションにおいて価値があります!!
エリクソニアン・アプローチの特徴は、
関わる相手の内的地図を知り、それを尊重した関わり方をすることで、
その人の中にある言語的免疫システムが警告を鳴らさないような、
心にフィットする言葉や、受け取りやすい言葉を使います。
そのことにより、リラックスした状態や新しい学習を可能にする幅広い注意があると同時に、ひとつのことに集中しているという状態を作り出すことができるのです。
それには、3つの方法があります。
①相手の内的地図そのもの
②相手の内的地図を包含するような曖昧な地図
③相手が代替となる新しい地図を作る為のまっさらな紙
これらを目の前にいるクライアントに合わせて、さまざまな方法や手順で
提供していくのがエリクソニアン・アプローチです。
コミュニケ—ションというのは、ある状況(設定された文脈)に合わせた
言葉を選ぶことで成り立っています。
例えば、
セールスであれば、商品を紹介し購入を決定してもらうという状況。
コーチであれば、クライアントがゴールを達成するという状況。
コンサルタントであれば、クライアントの問題を適切に解消するという状況。
つまり、「クライアントと合意された目的」が前提となってコミュニケーションがなされます。
そして、販売・目標達成・問題解決とう目的に焦点が当たりすぎることによって、
「相手の心の中の考え方」とか「内的な地図」が、置き去りにされることがよくあります。
そうすると、どれだけ素晴らしい提案やプロセス・解決策があったとしても、
「相手の心の中の考え方」や「内的な地図」を理解しないまま、なされても相手に届かないのです。
つまり、伝える内容と同じように、相手が受け取れる「内的な地図」に
なんらかの形でマッチする言葉である必要があるのです。
言葉は、いろいろな表現のしかたで伝えることが出来ます。
例えば、相手が欲しい言葉や、相手が動機付けされるような言葉、
あるいは、そのことすら気づかないで、相手の中に自然に入ってくる言葉であったりします。
そうでない限りは、相手が言葉を聞いたときに、それを受け取れず
いわゆる『抵抗』が起きたり、心の中でのざわつきが起こったりします。
催眠というのは通常のコミュニケーションとは異なる特殊な状況というのは先ほどお伝えしました。
それは、クライアントが、そもそも催眠に対して「好奇心」と同時に「怖れ」を感じているという状況だからです。
例えば、操られるのではないかとか、心の中の秘密を暴かれるのではないかとか・・・。
一般的にはセッションの前段階に置いて、
そもそも催眠とは、そのようなものではないという誤解を解くステップはあるのですが、
クライアントにとって、そのことが頭では分かっていたとしても、
やはり実際の場面では、言葉が受け取れない、リラックスして催眠に入れない
ということはよく起こることなのです。
ですから、催眠においても日常のコミュニケーションと同様、
相手が受け取れるような言葉を使って関わるプロセスが重要となります。
そして、催眠という特殊な状況においては、誘導というプロセスというのが、
それが出来ているかどうかのフィードバックをクライアントの反応を観察する
ことによって即座に得ることが出来るものなのです。
そしてトランスを深めていくにあたって、まっ白な地図を渡したり、
そこに昔の地図に重ね合わせて、さらに、新しい地図を書き直すような
作業をクライアントと一緒にやっていきます。
そのプロセスというのは、相手の心理的な警戒心とか懐疑心というものを取り払っていくような、
あるいはそういう気持ちが起きないようにするという意味において、
非常にコミュニケーションに有効だと言えます。
つまり、催眠がコミュニケーションに役に立つのではなくて、
催眠を誘導していくプロセスが、コミュニケーションにおいて非常に有効なのです。
ですから、催眠という文脈でエリクソニアン・アプローチを学ぶことが、
人それぞれ異なる使いたい状況で利用できるための最も相応しい文脈だと考えているのです。
この体験会では、エリクソニアン・アプローチ〜初級編〜で
手に入るスキルの一部を体験していただく機会をご用意しています。
2日間の初級編ワークショップで手に入ること
- 言葉は変えずに、影響力を全く違ったものにする非言語の使い方
- 直接指示することなく、間接的に人の中で行動が生まれるような言葉使い
- ほんの少しの違いで、聴き手のイメージをガラリと変える言い回し
- 正式なトランスを使わず、聴き手の内的体験を引き出す方法
- ミルトン・エリクソンが使っていた、効果的な言語の使い方
- 聴き手の感情を掴む「聴き方」の技術
- エリクソンの秘蔵映像で見る、本物の誘導のリズム、間、声の使い方