最近テレビ局を
賑わせているニュースが、
昨日、ピークを迎えました。
世界でも、日本でも、
この件と同じか、
それ以上に重要なことが
起きつつある、
いや起こっているのに、
否が応でも、釘付けになる
センセーショナルな、
企業の会見が生放送されていました。
ああ言うの見ると、
“言葉の持つパワー”
を適切に使う大切さを
身にしみて感じます。
今から20年以上前、
企業で経営企画室の
仕事をしてた頃のことを
思い出します。
上場企業の
関連会社だったので、
株主総会というものがあって、
そこで経営者が株主からの
質問を受ける。
そのための資料作りを
手伝ったことがあります。
それはもう大変で…
ものすごいページの
『想定問答集』を作ってました。
僕らは関連会社の
ほんの数ページでしたが、
何を聞かれるかを想定して、
それに対して『間違いのない』
答えを用意する。
準備をする
親会社のメンバーたちの
大変さったらなかったです。
そこで、僕はなんと、
間違えた回答を
用意してしまった…
数字を“1“違った。
間違えた…
もう記憶が
ぼんやりしてるのですが、
小数点を
切り捨てなければならないところ、
四捨五入してしまい…
数字が1=百万円違った…
めちゃくちゃ
怒られました…
それくらい慎重に、
そして完璧に用意するのが
上場企業なのだと。
だから今回の記者会見も、
スタッフの人たちが
相当準備していたと
思うんですよね。
だから僕は
企業の記者会見とか
すんごい興味がある。
でも、
昨日のは最悪。
質問する側は
ほんとひどい。
有名な東京新聞の
女性記者とか、
驚きの質問内容…
この程度の質問力と調査力で、
どうして有名記者って言われるのか?
自分の名前すら名乗らない、
ガラの悪い記者は
そもそもあり得ないとして
政治の世界でも
舌鋒鋭い記者と言われている人は、
単に、
感情に任せて持論を並べて
まくし立てる。
コミュニケーション力が
低いというより“ゼロ“。
義憤に駆られることと、
それをポケットにしまって
着実に答えを積み上げていきながら
回答者の矛盾や嘘に迫る。
そんな姿を一瞬だけでも
期待した自分に
がっかりでした。
クローズドクエスチョンを
誤ったやり方で使うことで、
聞いている人は不快になり、
誰も幸せにしない結果を
まざまざと見せつけられました。
クローズドクエスチョンとは
イエスかノーで答えるような問い。
そこに
自分の意見を前提として乗っけて
質問をすることで、
相手を誘導したり、
答えられなくしたりします。
望月記者の質問を見て、
企業の問題なのに、
壇上の人たちが可哀想になる。
逆効果やん。
そう思いました。
株主総会の資料でミスをした頃、
企業が不祥事を起こしました。
食品フロアに入店している魚屋が
賞味期限の偽装をしたんです。
その時に、
食品フロアに取材陣を
無許可で入り込み、
お客さんに照明を当てて
カメラとマイクを向けて、
「ここの水産会社が、
あなたを騙してたんですよ。
やっちゃいけないことだと思いませんか?
そんなことされて、
あなたは腹が立ちませんか?」
そう聞かれたお客さんは、
「そりゃ、
それがほんまやったら
裏切られた気持ちで
腹も立ちますわな」
と答えてました。
それをただ、
見てるだけの自分に無力感と
無法なジャーナリストに
怒りを覚えたことを
望月さんの質問の仕方を見て
思い出しました。
その日の夜のニュースで、
「裏切られた気持ちで
腹も立ちますわな」
だけがカットされて
放送されてました。
今も昔も、
センセーショナルに見せるためには
同じことをする。
今はそれがネットに変わっただけ。
ジャーナリストは当時も匿名。
望月さんは名乗ってることが
唯一の救いでした。
言葉はパワーがある。
幸せに、
豊かに、
やる気や勇気を
与える方向にも使えるし、
傷つけ、
不快にし、
二度とこの人と会わない。
と決める方向にも使える。
『意図』の大切さを改めて感じました。
そして何より、
言葉を「どのように」使うか。
その技術を持っておくことも大切。
それを伝えていこう。
そう決めました。
では!