さて、昨日、相談を受けました。
「クライアントから、『契約延長しない』
と言われました。どうしたらいいですか?」
彼女の仕事はエグゼクティブ相手の
コーチングです。
経営のパフォーマンスを
上げるのが仕事なんです、
そして彼女曰く、
そこそこ上手く行ってた。
信頼関係もガッチリ構築し、
満足してもらえる結果を出していた。
だから1年の継続契約を
手に入れてたのに…
今回、契約終了とのこと。
彼女曰く、
これが2人目だそう。
こう言う結果が続くと、
将来が心配になってきたので、
相談したと言うのが、
ことの経緯でした。
それを聞いている僕は
もっとドキッとしました。
ラッキーなことに、
僕たちは、今のところ
オンラインシフトが
うまく行っていますが、
少ない数の企業クライアントを
このコロナ禍で失った経験を
している僕としては、他人事とは
思えなかった上に、
先週、知り合いのコーチが
ボソッと教えてくれたことが
頭をよぎったからです。
「クライアントを選ばんとあかんけど、
これからはクライアントに
選ばれる時代が来るな」
そこそこ業界でも有名なコーチです。
普段は僕以上のイケイケの彼。
その彼にしては、随分と弱気、と言うか
控えめな表現になっていました。
「どうしてそう思ったの?」と聞いたら
「いや、俺らの業界、
これから景気が悪くなったら、
真っ先に切られるからな、
特に俺なんかはギャラ高い、
って思われてるからな。
仲間のコーチもそんな空気感じてるんや。」
真偽の程はともかく、
彼は少々心配していました。
逆に僕は、この二つの話と、
僕がお伝えしていることには
反比例があるな、と。
これからますますいろんな人を
応援できるなと思ったんです。
わかっていること…
最近、景気が悪くなってきたこと
そしてそれよりも厳しいのは、
この状況の先が見えないってこと。
先が見えないので、『投資』のマインドが
落ち込んできているのは、
A N Aのリストラの問題や
三菱重工業のジェット機ビジネスの
終了などからも明らかですよね。
これまでは個人で
ビジネスをしている人間にとっては、
不景気はチャンスだったんです。
なぜなら、小回りが効く上に、
自己啓発の市場は、
生き残るために『スキル』や
潜在能力を活性化させる人が、
厳しい時期になる程一定数現れるからです。
でも今回は、これまで経験したことのない
先行きの見えない状況…
何が起きるかわからない。
どう動いていいかわからない
ようなんです。
思うに、同じコーチングという業態でも
これから厳しくなるコーチと
なんとかなっていくコーチに分かれる
時代が来るなと。
ちなみに
個人的な考えですが、
これからより一層頑張らないと
いけない職種があります。
パフォーマンス系コーチ、
いわゆる●●コーチという肩書きの人。
例えば、恋愛コーチとか、
セールスコーチとか、
つまり特定の分野でのパフォーマンスを
上げることを目的にした
『コンサル』的活動をしているコーチ、
この人たちは、何もしなければ、
沈む可能性が高い、ということ。
なぜならその特定分野で
活動しているコーチのほとんどが、
クライアントの顕在化された能力を
これまでの成功パターンに沿ってしか
上げることができないからです。
逆の言い方をすると、
真のコーチングスキル…
クライアントの潜在的な能力や
既にあるのに活性化されていない
リソースを開発するというスキルを
持ち合わせていないからです。
これまでと全く異なる状況になっている今、
最も重大な障害となるのは、
過去の成功体験に基づく方法…
つまりうまく行ってたことが、
これからの障害となるんです。
潜在能力を開発できるスキルと
能力がなければ、クライアントを
変化に導くことができないのです。
逆に僕たち潜在能力を引き出すことや
柔軟な思考や発想、行動を、
文脈に関わらず活性化させることができる
コーチたちにとっては、
多くの人に役に立てるチャンスがある。
そう感じました。
あくまで個人的意見です。
でも、
長い百貨店不況を経験して、
そんな中であっても、
日本で最も売上効率の高い
百貨店フロアを開発した経験、
成功した巨人であった
セブンアンドアイのグループを
内部から見てきた僕にとっては
本当に深刻な二極化が起こる予感が
しています。
とはいえ、
どんな時代も、新しいイノベーション、
他者の援助を必要とする仕事は
なくなることはありません。
大事なのは、文脈を固定しすぎない
人間の能力そのものをサポートする
そんなスキルを身につけることだと
そう思います。
では!