神崇仁 公式サイト

ゼレンスキー氏のスピーチ分析その2

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約4分

びっくりするほどの反響です。

スピーチ分析。

影響力催眠の専門的見地から
多くのことが盛り込まれている。

今日、全てを書き終えました。

なんとその文字15,000文字。

だいたいメルマガが10本ほどかける量。

動画にしましたのでまたご案内します。

さて、
昨日に引き続きスピーチ分析を。

昨日、前提という催眠技法、
時の従属節という文章構造を活用して、
とてもしたたかに、
相手にメッセージを埋め込んでいる

ということをお伝えしました。

そしてその後、
リカージョンという
効果的なイメージ話法が続きます。

『万華鏡』トークとも言われます。

一つのことをさまざまな
異なる表現で伝える。

そのことにより、
聞き手の無意識にメッセージが
イメージとして自然と根付きます。

『本当の』という言葉をリズムにして。

世の中の本当の様子→
1.本当の反戦運動
2.本当の自由
→(発展させて)平和への望み

→本当の+望みを組み合わせて
ここまでのメッセージを
まとめ上げています。

“本当の地球上の安全の望み”
と結びます。

本当の地球上の安全の望み

そして、更なるポイントが。

それは、『本当の』という言葉。

本当の…と話すとき、
そこにはコインの裏側…‥
その反対の要素が存在している…
ということを暗示しています。

『本当の愛』と言うと、
それはこの世には、『偽の愛』、
『愛の幻想』がある。

そして自分が話す方が『本当』で
別のものは『嘘・幻想』。

つまり自分は正しく、
別のものは偽物だということを

明示せずに伝えることができます。

大統領のスピーチ内容に照らすと、

世の中の本当の様子には、
偽の様子がある。

本当の反戦運動には、
反戦運動の幻想が。

本当の自由には、
自由の幻想が。

本当の地球上の安全の望みには
安全の幻想がある。

それを間接的に伝えているのです。

自分たちの側には、
本当の様子が見えて、
私たちこそ本当の反戦運動が。

そして自由のために戦うのが私たち。
相手は偽物である。

私たちが考える安全の望みこそ正当。
相手のは嘘。

仮にこんな言い方をすると、当事者でない聞き手は、
その意見に感情的に反対してしまうかもしれませんが、

『本当の』を使うことで、
相手を批判せず、自分の意見の正当性を、
『するり』と聞き手の無意識に届けることができるのです。

取り上げたキーワードも、
平和、反戦運動、自由、安全…

日本が被爆国であり敗戦国であるという意味から
『平和』『反戦』という意識が強いことを
リサーチしていたのでしょう。

もちろん、自由主義陣営の一員ですから、
自由というキーワードも。

これらのキーワードは、
催眠の世界では『スーツケースワード』と呼ばれ、
相手が好意的に受け取れるキーワードさえ抽出すれば
同じ言葉でも、
聞き手によって異なる、さまざまな体験や考えをもとに、
自由にイメージできますので、非常に有効に機能します。

「あぁ、この人私のことわかってくれてる。」
多くの人を動かすプレゼンターなら
このスーツケースワードを効果的に使って
プレゼンしていると言えるでしょう。

だから今回のスピーチも、
聞き手が肯定的に反応するキーワードの
引き出し方も上手いですね。

例えば、あなたがこれをビジネスで使うなら
あなたが業績が悪化し続けている組織の
リーダーとして着任した時を想像して
話してみますね。

私たちのビジネスが、危機に直面した時に、
見えてきた本当の『あり方』というものがあります。

本当の顧客視点とは何か?
本当の組織のあり方とは、
お客様へ届けたい思い。
本当の顧客視点を持った『思い』のある組織…

こういう使い方をすることができます。
過去をやんわり否定して、
新しいことを導入したいときなどに
このやり方は非常に有効です。

いやぁ、極めて催眠的。

しかも間接暗示
オンパレードです。

ちなみに
『本当』の代わりに
ビジネスでよく使われる類語としては
『本来』という言葉も活用できると思います。

まだ、14分のうち3分半くらいです…

続きはまた。

追伸:
明日、いよいよ神崇仁youtubeチャンネルが
リニューアルオープンです。

ぜひみに来てください。

そして、来月の4月27日の
マンスリーウェビナーは、

『催眠的プレゼンの極意』

エリクソンのやり方を
パブリックスピーキングに
応用する方法をお知らせします。

では!

この記事を書いた人

神 崇仁
しぐさと言葉の専門家 神 崇仁(Takahito Ko)
意識の成長の壁を越えるお手伝い

JR西日本伊勢丹バイヤー、経営企画室でUxと経営を学ぶ
7&i 生活デザイン研究所 チーフディレクター(消費者心理の研究)
2007年からNLP探求を始める(NLPトレーナー)
『砂漠の魔術師』(エリクソンの映画)のアジアプロデューサー
世界的コーチS.ギリガン博士の米国アシスタント
IAGC(国際ジェネラティブチェンジ協会)の日本代表
ハーバード大学R.キーガン博士や
数々のエリクソンのお弟子さんの日本での講座開催を主導
これまで13年、4200時間、6500万円を探究に投資してきた
参加者は『講座づくりの神』と呼ぶ…
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