昨日、今日も
施術家の言語学の説明会。
昨日はお昼と、夜の2回。
終わったのが0時を回っていたので
メルマガを描くのを断念しました。
そして今日も今終わり…
でも、このメルマガを
楽しみにしてくれている人がいる
そう思いながら
今僕も何を書こうかなと
ただ、ワードを前にしています。
説明会なんですが、
興味深いのは、毎回そうなんですが、
その回に参加する人の問題や興味って
共通していることが多いんです。
言語学でお伝えしている
『4つのウィルス』という観点で言うと、
ある回は、新規病。
ある回では影響力健忘症…
そういう人たちの行動パターンに
共通したものがあると感じます。
ちなみに昨日も今日も
『当院の施術は』テンプレートの
実演は大成功でした。笑
驚く顔を見るのが楽しい。
できない、って思うことでさえ、
できるかも!
そんな期待が生まれる瞬間
これがたまりません。
さて最近、
いろんな人が舌下事件を起こしてますね。
今回は、あの日銀総裁が…
これまではターゲットになった政治家の
密室での言動の一部が切り取られて
問題にされて『政局』になる。
そんなマスコミの取り上げ方でしたが、
最近は違います。
明らかに『メタファー』として
話されているものが、
真実として受け取られて、
『問題』が作られる構図です。
僕自身は、黒田総裁が率いる日銀の
異次元の緩和を支持してはいませんが、
今回の取り上げ方は酷い。
いわば、『思考狩り』とも言える状態。
言葉の研究を続けている僕からすると、
舌禍事件よりも、思考狩りの方に
危機感を持っています。
そしてこの傾向は、
これまで「例え話」を使って
わかりやすさを導き出していた人にとって
一段の危機だと言えます。
別の言い方をすると、
僕たちが提唱している
エヴォカティブコミュニケーション、
こちらからの情報提供を行う
論理的なコミュニケーションではない、
相手の内側で感情を引き起こす
喚起型のコミュニケーションの持つ
非常のパワフルな潜在性を
明らかにしたと言えます。
ただし、
その使い方は一歩間違えると、
炎上を起こす。
その観点からすると
黒田総裁の談話は、非常に面白い。
黒田総裁は、
「日本の家計の値上げ許容度も高まってきている。」
「家計が値上げを受け入れている間に…」
と述べていました。
これは言語学的には
『選択的制限違反』と言われるもの。
選択的制限違反とは、
その文章の主語が
論理的に使える範囲を超えた
動詞を与えることで、
非常に強力に人の心に印象を残す技法。
『魂の叫び』
あの、ボノ率いるU2の映画のタイトル。
『全米が泣いた』
アメリカ国家は泣かないですよね…笑
そういえば、昔、
一発屋に終わった
伊丹てつやとサイドバイサイド
というバンドの曲に、
『街が泣いてた』ってありました。
こういうありえない表現って
心に残るんです。
だから今回の文章を見ると、
本来『日本の家計』は人ではないので、
受け入れたり拒絶したりしない。
でも日本の家計(主語)が
値上げの許容度を高めている
というまるで家計が生き物のように
語ったことで
非常に強いインパクトを与えてしまった。
否定的に…
家計の統計値は、
これまでの既定値の範囲にある。
あるいは、
コロナの渦中で消費が落ちたことで、
出費が抑えられ、
プラスに転じている家庭の収支が
値上げのマイナスを吸収できている
統計上の数値が出ている。
そういう意味を、強く印象付けるために
黒田氏は選択的制限違反をあえて使って、
擬人化したのです。
多分、これ
無自覚にやっちゃったのでしょう。
だからこれを聞いて怒った街の人々。
「私の家はそんな余裕ないわよ。」
「黒田総裁はお金持ちだから
そんなふうに思わないのよ。」
「私は値上げを受け入れたりしていません!」
ざっとこんな反応です。
ニュースキャスターも、野党政治家も
「けしからん!」の一辺倒。
でも、これは
プロの経済学者としての
統計上の見解であって、
黒田氏は、
生活者がそれを受け入れているとは
一言も言ってない。
今、メタファーと現実を
同一視してしまう現象が起きています。
エヴォカティブに話す。
これにはもはや
無自覚ではいられなくなっている。
誰かの気持ちを逆撫ですることは、
簡単にできる。
でも、逆に人の気持ちを鼓舞することは
学んできていないのです。
だからこそ、
僕たちはエヴォカティブな伝え方を
学ぶ必要がある。
まもなく
エヴォカティブな関わりの
世界随一の実践的な指導者が来日します。
ジェフリーザイク博士。
あなたにも是非
触れてもらいたいと思っています。
まもなく募集開始です!