やればやるほど、
自分はホンモノじゃない。
ニセモノに感じて苦しいんです。
あなたはこう言われて、
どう答えますか?
今日、この週末に開催する、
ギリガン博士の講座。
そのスライドを翻訳したり、
博士とメールのやりとりを
している時にふと、
“ニセモノ“について思い出しました。
世の中は、
ホンモノ志向に溢れています。
唯一無二のオリジナル。
明確で
ブレない自分軸を持っていて、
言動一致、表裏一体。
仕事以外の
全ての場面においても
公正で誠実でないと、
世の中に出てはいけない…
こんな悩みを
聞いたことがありますか?
実はこれ、
僕が感じていたことなんです。
この話題は、
ジェフリー・ザイク博士に
コーチングセッションを
してもらった時に出した話題…
僕がこの話題をこう提示しました。
「僕は自分で
詐欺師なんじゃないかと思うんです。
いつか、ある朝、
目が覚めたら、みんながぼくを
ニセモノであると見破って、
僕から離れて行く
そんなことを思うんですよね。」
博士はすごく真剣な顔で
こう僕に伝え返してくれました。
「コウ先生、
臨床心理学者として
何万人もを診てきた私ですが、
残念なことに、
1週間以上一緒にいますが、
未だあなたをニセモノだと
見破ることができません。
その意味においては、
あなたは素晴らしく
ホンモノの
見破られない技術を
持っていらっしゃるようですね。」
『インポスター症候群』
後で教えてもらったんですが、
僕のこういう考え…
いろんな人が思うようです。
その凄絶な幼少期の体験を
克服して生きてきた生い立ちから、
その人の生き方を
『ニセモノ』と思う人なんて誰もいない。
僕が大好きな作家、詩人の
マヤ・アンジェロウ…
彼女も11冊目の本を書いた後に、
「あぁ、これで私がみんなを
騙していたことがバレてしまう。」
そう考えたと教えてくれます。
Facebookのシェリル・サンドバーグや
俳優のトム・ハンクスや
エマ・ワトソンも
インポスター症候群の経験者だそう。
アメリカの調査によると、
70%の人が
人生のあるプロセスにおいて
この症状を経験すると言われます。
社会的に成功した人や、
高いキャリアや研究をしてきた人に
多く現れるものらしい(wikiによると)
ジェフ先生に言われました。
「で、あなたは何がホンモノだ。
そう信じているのですか?」
「もしも唯一無二のオリジナル、
そう考えているのなら、
私は、もう50年も
エリクソンをはじめとした
素晴らしい先達の研究と、
その実践を続けていますよ。」
そしてハッとすること…を
言われました。
「あなたが心の中で
自分についてどんなことを
考えているか
そのこともあなたにとって
意味のあることでしょう。
そして同時に、
あなたがしていることで、
あなたの周りに
何が起きてきたのか
それを知ることも
すごく価値があること
ではありませんか?」
「あなたが私に
ニセモノであることを隠して
私をここに
呼んで下さったおかげで
これだけの人と
私は関わることができた。」
「きっとここにいる人も、
私から受け取ったものがあるでしょう。」
「あなたがしていることは、
人が離れて行くことではなく、
人がつながって行くことなのです。」
ジェフ先生は、
ミルトン・エリクソンから、
技術ではなく、
ありようを学んだという。
言葉を交わすだけで、
自分自身のありようが変わっていく。
しかも、相手の考えを、
言下に否定するのではないし、
自分の正しさを
押し付けるのでもない。
ただただ、
相手の使った言葉を大切にして、
それを緩やかに動かしていく会話。
エリクソン催眠を
コミュニケーションに応用した
ジェフ先生の
エヴォカティブ・
コミュニケーション、
僕もこれに近づくために、
日々鍛錬を積んでいます。
もしあなたが、
自分にはオリジナルがない。
そう思ったとしたら、
それはラッキーです。
オリジナルではない、
というあなたの考えも、
オリジナルではない。
でも、
その言葉に影響されているなら、
『オリジナルでなくても、
人には影響を与えられる。』
その証左です。
まもなく、
ジェフ先生のことを
もっと知ってもらえるような
機会を作るつもりです。
まずは、明後日からの
スティーブン・ギリガン博士の
講座で気持ちを新たにしてきます。