さて、
今日は半年に一度行う、
僕の大好きな講座。
『変化を生む言葉のアルケミー』でした。
言葉を通して、
相手の心に変容をもたらす…
そんな働きかけを
二日間で学ぶ講座です。
自分自身の言葉遣いに
価値ある違いをもたらそうと
10数名の仲間が
リアル参加してくれました。
コーチングの世界では
アドバイスしない。
相手自らが気づきを起こす。
そのためには
傾聴して、
オートクラインを
生み出すように待つ。
そんな都市伝説があります。
オートクライン…
自分が話していることを
自らが聞くことで
再組織化されて、
新たな気づきが生まれる。
細胞の自己分泌という
生化学現象からとった名称ですが、
多くの場合、
うまくいきません。
これができるのは、
心が強いエグゼクティブか
表面的な問題を
話しているときくらい。
なぜなら、
本当にシビアな問題を
抱えているとき、
人はその問題の『沼』に
はまり込んで、
「抜け出せない」
心の状態はネガティブに
焦点が当たり、
他のことに意識が向かない。
そんな
否定的な感情がある時には
聴くだけで
思考の自己分泌が起きるなんて
考えない方がいい。
僕たちはそう考えています。
相手の心の中は、
さまざまな経験が沈澱し、
上澄となった水分と
内容物が分離している状態。
僕たちは
その上澄を掬うのでもなく、
再び沈殿した内容が
上澄と混じり合うのを
ただ待つのでもない。
第三のやり方を探求したいのです。
それが…
「ヘラでかき混ぜる」
です。
かき混ぜるといっても、
ガンガンにこねくり回す
というのではありません。
力強く内容物が鍋から
飛び出るほど
グルグルするわけでもない。
ほんの微かに…
ゆっくりと、
混ぜる方向を決めて、
混ぜられたことさえ
気づかないように
混ぜるのです。
そうすることで
本来のその人らしさ、
味が取り戻せるわけです。
その叡智を伝授してくれる
ジェフリー・ザイク博士は
エリクソンの関わり方を
「微かにドアをノックする。」
と喩えます。
“エリクソン博士は、私たちが持っている能力を
引き出すための手段として、人間の反応について
探求した方でもありました。社会心理学が分野として
台頭する以前から、博士は、多くの点で完壁な
社会心理学者でもありました。博士にとっては、
催眠は一つの関係性であり、その中で、
クライエントはコミュニケーションの暗黙の
意図に対して反応する存在でした。喩えて言えば、
催眠誘導は、クライエントの家の「ドアを微かに
ノックする」ようなものです。そして、クライエントが
暗示に反応することは、「よくいらっしゃいました。
居間の家具の配置換えをお手伝いいただけるとのことで、う
れしく思います」と言っているようなものです。”
床のシミを取り除いたり、
なぜ、部屋が汚くなるのかを
調べるのではなく、
『模様換え』をする。
今現在の生き方に合わせて
自分の中のさまざまなものを
配置し直すことで、
人は
これまでとは違うやり方で
人生のさまざまな問題に
対処しうるのです。
そのためのやり方がある。
それは
1.メッセージ(方向性)を決める
2.メッセージを間接的にする
3.戦略性(届ける順序)を設計
4.相手の反応に応じて微修正する
こうやって届けると、
相手の人はあたかも自分で
思いついたかのように、
アイデアを導き出すのです。
大切なことは、
最初メッセージを明確に決めておくこと。
短い一文で
断定的で
肯定的なものを作ることが大事です。
そのメッセージが決まったら、
ナビをセットして、
区切りごとになされる
ナビの声による指示…
まさに行動の暗示を加えて
少しずつゴール(目的地)に向かうのです。
エリクソン催眠。
ほんと奥が深くて、
面白いです。
では!