『経験学習』…
どのように子供たちに教え込むか、
ということが語られていた頃に、
ほんの小さな
ムーブメントが起きていました。
『人は学び続ける』
誰かに指導されなくても、
『学び』は日常的に起きている。
そして『学習』について
語るときにはいつでも、
『経験から学ぶ』という視点なくしては、
何も意味をなさない。
そう考える研究者がいました。
教育研究家である
デイヴィッド・コルブは、
人間の学習とは、
『指導』されることで
生まれるのではなく、
みずから、経験することから
効果的な学習が起きることを
明らかにしました。
それは、
経験し、省察し、
概念化して、試行する。
というサイクルの繰り返して
人間は学習していく。
このサイクルを
繰り返すことこそが
学習である。
コルブは、ピアジェ、デューイ、
クルト・レビンなどの
先人の学びと統合し、
進化させていきました。
シカゴの女性教師は、
コルブの経験学習に出会い、
それをあるものと統合します。
それは
『ユング』という精神科医の
タイプ論でした。
コルブは学習という
人間の情報処理のプロセスを
研究していましたが、
ユングは、人間そのもののを
患者の言動の傾向から
2つのタイプに導きました。
一つは決断の特性
思考タイプか感情タイプか。
もう一つは、注意の方向
感覚的か直観的か。
決断するとき、
論理的に考えるか、
好き、嫌いで判断するか、
何かに注意を向けるとき
見たまま、あるがまま五感の
情報を大事にするか、
その背後にある本質、
意味や可能性に興味を持つ、
女性教師は、
このユングの心理的傾向と、
コルブの経験学習のプロセスを
比較したときに、
この二つを融合できるのでは?
と考えました。
縦軸に情報処理、
感覚と直観
横軸に決断を
思考と感情を
そして感情を即行動に置き換えて
コルブの研究と合わせます。
時計でいう
12時に感覚(経験)、
3時に思考(内省)を
6時に直観(抽象思考)を
9時に行動(試行)を
そしてそれぞれに
教師らしく『問い』を
当てはめました。
経験するための『理由』
=なぜ?
内省するために『内容』
=なに?
抽象思考を検証する『方法』
=どのように?
試行を実現するための『可能性』
=どうなる?
そして彼女は次に
このプロセスで授業を設計して
実践したのです。
なぜ学ぶのか?Why
何を学ぶのか?What
どのように検証するのか?How
実行したらどうなるのか?What if
この順序に基づいて
子供たちに学びを提供したら、
すごいことが起きました。
ものすごい学力のアップ、
そして学力アップだけでなく、
子供たちの学びのモチベーションが
ハンパなくなった。
このモデルはやがて
学校教育者の間に知りわたり
全米中の教師が
教えを乞うようになりました。
彼女はこの経験学習に基づく
トレーニングの仕方を
4M A T®と名付け商標登録します。
そして1979年、
”About Learning“という
一冊の本になり、
教育分野でのベストセラーに。
彼女の名前はバニース・マッカーシー。
そしてこのモデルを、
N L Pのトレーナーである、
ワイアット・ウッドスモールが
N L Pのトレーニング、
そして企業研修に持ち込んだことで
世界中の研修講師が
この方法を取るようになります。
でも、残念なことに、
彼らは誰一人としてバニスから
直接4M A Tを学びませんでした。
本で学んだことを、
ただ実践したのです。
僕は2015年に
シカゴの田舎町にバニスを訪ね、
直接トレーニングを受けてきました。
さっきの話は、
そのときに彼女に確認しました。
そしてそのとき
彼女が衝撃の事実を
僕に伝授してくれました。
4M A Tには、
本では学べない真実がある。
だからN L Pの人たちは
間違えた4M A Tを学んでるのだと。
あなたが学んだ4M A Tは
本物でしょうか?
では!