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エリクソンとポジティブ心理学の決定的な違い

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約5分

あなたのところは『雪』は
どうでしたでしょうか?

今回の東京はスゴいと、
散々喧伝されていたので、
どうなるかと思ったのですが、
全然でした。

すんごい寒いですけど。

そんな寒さの中でも、
今日見かけたワンちゃんは、
とっても嬉しそうに
ルンルンして散歩してました。

『ルンルン』…

あなたは言葉なしで、
誰かが…
あるいはワンちゃんや
ニャンコ…うさちゃんが、

『ルンルン』してる、と
わかりますか?

動物の研究者たちによると、
霊長類はもちろん、
ゾウやクマ、犬、猫…

そして
哺乳類だけでなく、
鳥類でさえも家族や、
つがいのパートナーに対して

愛の感情、

悲しみの感情を持つ。

あるハヤブサのつがいが
子供を産んで、
それを育てているのを、

鳥類の生態の研究者たちが、
記録をとっていた時、

ある時、一方の親鳥が、
ハンターに撃たれて、
死んだのだそうです。

その後のパートナーの様子は、
それこそ半狂乱になって、

そして雛鳥を守りながら
狩に出て、戻っては、
ずっと巣の外で叫び続けた。

『叫び』だったそうです。

僕たちは、
人間だけが特別と思っていますが、

人として最も大切な、
基本的な『ありよう』は、

そもそも生き物が持っている。

と言うことなんですね。

生き物は、みんな『幸せ』の
普遍的な感情を持っている。

そんな『ロマンティック』な
考えを図らずも感じてしまいました。

そんなわけで興味を持って
辿り着いた
動物について書かれた本によって、

発見したんです。

前々からずっと気になっていた
エリクソンのアプローチと
ポジティブ心理学の
『決定的な違い』。

『ゾウがすすり泣くとき』
という本があります。

精神科医と生物学者の共著です。

その中に、
動物虐待とも取れる一節が。

『犬をうつにする実験』

他にもネコ、アカゲザル、ネズミ…
読むに耐えれない内容です。

中でも、
犬に首輪をつけて動けなくして、
ランダムな間隔で
電気ショックを与える。

そのショックは
避けられないもので、
かなりの時間継続させられる。

週に4日間ですよ!!

『逃げられない』状況下
不快な電気ショックを受け続ける。

この実験の中心人物である
心理学者がこう述べています。

「ショックを受けた動物は、
 最初は怯え、 そのうち
 どうしようもないとわかると
 鬱状態になるのだ。」

つまり、
意図的に犬をうつにしてたわけです。

次にこの心理学者は、
鬱になった犬を治そうとします。

でも、
この状態を経験したほとんどの犬は
逃げられる状況でも
逃げるのをやめ、無気力になった。

『学習による絶望感』
または学習性無力感と呼びます。

何頭かはショックから立ち直った
と心理学者は述べていますが、
言葉を話せない犬が、
本当に立ち直ったのか。

トラウマがないのかどうか
わからないわけです。

この研究をした心理学者は
マーティン・セリグマン博士。

あの
ポジティブ心理学の提唱者です。

この実験ののちに、彼は
心理学は、問題にではなく、
幸福に焦点を当てるようにした。

そこで生まれたのが
幸せに焦点を当てた心理学、
ポジティブ心理学なんです。

エリクソンの考え方を
伝えていると、よく聞かれます。

「ポジティブ心理学と同じですね。」

なるほど、
可能性や未来志向だし、

原因よりも
ポジティブな感情や経験に
焦点を当てると言う点では
共通していますね。

でも今日、わかったんです。

その違いが。

臨床から生まれたものと、
心理学者が実験ののちに
理論化した心理学の考え方。

エリクソンは。
臨床を通して、
人間の可能性を探求してきた。

そしてその前には、
自らのポリオと麻痺。

それを克服する体験から、
自らの考えを作っていった。

実験ではなく、体験として。

エリクソンは臨床を通して、
問題や原因を、リソースや
可能性に変える方法を
発見し、発展させてきた。

4月にオンライン講座を行う、
ジェフリー・ザイク博士の
エヴォカティブ・コミュニケーション、

その中で、博士がよく言うんです。

エリクソンが最も
大切にしていたこと

それは、『体験』です。

人は人生の学びを、
箇条書きの『教え』ではなく、
『体験』を通して身につける。

これがエリクソンのやり方の
根底に流れるもの。

そう教えてくれます。

そして
その人間的なやり方を
ザイク博士なりに
体系化したものを

『エリクソンダイヤモンド』
呼んでいます。

エリクソン自身が
自分の人生を変えた考え方、

それを
他者に還元できるように
対人関係スキルとして
作り上げた催眠、
戦略的コミュニケーション

これらの神業を、
僕たちでもその一端を
手に入れることができるように
わかりやすく『体験』
引き出してくれます。

ザイク博士のエヴォカティブ・
コミュニケーション、

お楽しみに!

この記事を書いた人

神 崇仁
しぐさと言葉の専門家 神 崇仁(Takahito Ko)
意識の成長の壁を越えるお手伝い

JR西日本伊勢丹バイヤー、経営企画室でUxと経営を学ぶ
7&i 生活デザイン研究所 チーフディレクター(消費者心理の研究)
2007年からNLP探求を始める(NLPトレーナー)
『砂漠の魔術師』(エリクソンの映画)のアジアプロデューサー
世界的コーチS.ギリガン博士の米国アシスタント
IAGC(国際ジェネラティブチェンジ協会)の日本代表
ハーバード大学R.キーガン博士や
数々のエリクソンのお弟子さんの日本での講座開催を主導
これまで13年、4200時間、6500万円を探究に投資してきた
参加者は『講座づくりの神』と呼ぶ…
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