施術家の言語学の説明会でした。
毎回違う人が来て、
同じ内容を参加した人に合わせて
伝え方を変えていく。
ミルトン・エリクソンが行った
ユーティライゼーション(活用)の実践です。
もちろん、説明会はビジネスとして
大事なプロセスだけれども、
一方で僕にとっては
自分の学びを体現する実践の場。
結果と同様に、
自分自身が回を追うごとに
成長していくことに
気づくことができる良い機会です。
『一般化の罠』という言葉があります。
僕たちの脳は、
体験を一般化する能力を持っています。
一般化とは、
いくつもの個別の体験を
共通する要素をもとに
一つの法則にして記憶するというもの。
個々の体験の差異を排除して、
共通する部分だけを取り出します。
それによって僕たちは
日々異なる表情を見せる
自分の外側の世界であっても
統一されたものの見方を
維持することができるのです。
これを『ビリーフ』という人もいます。
ビリーフは僕たちが
外的世界を歩く時、
次に何が起きるかを予測し、
どうすれば良いかという行動を
計画するための役に立ちます。
変わらない世界であれば
ビリーフを持つことで効果的に
生きることができます。
日本で生きる分には、
車は左側通行である。
この一般化されたルールは
とても役に立ちます。
車に乗って、
いつも、周囲を窺って
どっちの車線が安全かを
判断しなくて済むからです。
そしてそれはイギリスに行っても
役に立つでしょう。
イギリスも左側通行だから。
でも、イギリスの大きな交差点に行くと、
途端にあなたの運転における一般化は
役に立たなくなります。
『ラウンドアバウト』という
日本にはまだない交差点の
曲がり方のルールがあるから。
『右折』という概念がない。
ラウンドアバウトは、
交差点の中央に円形の島がある。
右に曲がるには、
左折してその円に沿って
4分3回りしてから左折する。
そうしなければ右折できないんです。
僕はイギリスで車を運転して、
何度もこのラウンドアバウトで、
道を間違えました。
自分のルールが通用しないから。
もちろん、
アメリカに行くと、
右側通行だから、
運転そのもののルールが通用しない。
我々の交通ルールが
一切通用しなくなるんです。
一般化されたビリーフは
ルールが変わると途端に使えなくなります。
僕たちの人生には、成長に従って、
自動的にルールが変わったりします。
コーチングや催眠、手技を
一生懸命手習して、成長している時期。
それをビジネスとして活用する時期。
それぞれうまくいくルールは違います。
それを知らないで、
同じことを繰り返していると、
やがては大きな壁にぶつかります。
施術家の言語学は、
まさにそんな壁にぶつかった
施術家さんをはじめとした
支援者のためにある言葉の技術。
でも、
この壁に当たっているのに、
それを認められない時期もあります。
説明会は、そんな否認の時期を
乗り越えるためのもの。
だから毎回、うまく行ったり
行かなかったり。
あなたは自分の仕事において
どんな一般化された
ビリーフを持っていますか?
そしてそれは今も
本当に役立っているのでしょうか?
では!