明日は大好きなワークショップ
エリクソニアン・アプローチ、
『変化を生む言葉のアルケミー』
だから、
今日もエリクソンの探求です。
エリクソンは言います。
あなたの無意識を信頼しなさい。
多くのエリクソンのフォロワーが
この言葉を使います。
エリクソンは、人間の可能性を
強く信じていました。
人間は過去に
囚われた生き物ではなく、
今ここの幸せと、
未来への期待を、
その人の心のうちに、
まだその人さえも気づかない、
過去の経験の中にある
今の状況を変えるために
役に立つ何か。
エリクソンは、
患者の変化のために、
「教える」のではなく、
「使われてないぞ!」と
その人の心の中、体の中に宿る
経験に基づく叡智を喚起する。
そんなやり方をしていました。
だから
あなたの知らない、
あなたの無意識を信じるのです。
そう伝えていました。
でも、
僕のメンター、
スティーブン・ギリガンは、
エリクソンの死後、
世界的な心理療法の会合で、
こんな疑問を呈しました。
「もし無意識がそんなに賢明なら、
どうして人間は問題や症状を
抱えるのでしょうか?」
そして、
エリクソンの同僚だった、
ジョー・バーバーは、
「エリクソンの弟子たちは、
『無意識を信じなさい』と
信者のように盲信している。
無意識がバカでのろまで、
ろくに口も聞けないことを
知らないんじゃないか?」
とかなり強い口調で
言い放ってました。
『無意識の偉大さと間抜けさ』
この二つの考え方の間で
揺れ動いたのは、
ビル・オハンロンという
エリクソンの弟子の一人。
数年間、悩んだ結果、
こう結論づけたのだそう。
『無意識は、
賢明なことについては賢明であり、
愚かなことには愚かなのであり、
賢明であることが
愚かなことであっても
賢明であることもある。』
なんだか、
エリクソンがよく使う、
『混乱技法』みたいですね。
言葉はわかるけど、
意味がつながらない。
でも、
ここは混乱ではなく、
本当の言葉なんです。
もしあなたに上手く
やれることがあるなら、
それは無意識に任せて
これまで通り習慣的に
行うことが賢明です。
でも、
あなたがやったことがない
あるいは上手くやれない、
そんなことがあるのなら、
それは無意識に任せたら
永遠に望み通りのものが
出来上がりません。
意識的に上達のための訓練を
自らに課して意志の力で
なんとかしなければなりません。
そしてさらに、
かつては上手く行っていて、
それを行うのが
賢明であることでも
今やそのことが賢明ではない、
事情が変わっても、
賢明であることを
やめないことで、
愚かしい結果に終わる。
例えば、
タバコを吸う。
かつてはその人にとって
なんらかの価値がある、
だから反復してタバコを吸い、
自由に行動できるように
『覚えた』ものが
禁煙し始めて、
タバコを止めることが
賢明にも関わらず、
自分の体の生理的状況や
タバコに火をつけることを
賢明にも自動的に行うなら、
せっかくの禁煙が台無しに。
もったいない結果に
なってしまいます。
僕たちは
賢明でない方が良い場合にも
自動的に行ってしまう、
振る舞いや考え方を
変えるときに、
これまでの習慣化された
フィルターを交換したいのです。
心のフィルターを
新しいものにするために、
『催眠』という
一時的な心の状態、
心が新しさに対して
オープンで、受容的である
無意識に新しい書き込みが
可能になる状態を
作る必要があります。
それがセッションにおいて
催眠を使う理由です。
催眠は麻酔です。
手術は麻酔がなくても
できるけど、
麻酔ができた方が、
より安全に、効果的な
難易度の高い仕事ができる。
催眠とはそんなものです。
もちろん、
下手な使い方をすると
麻酔と同様、
人を傷つけてしまう恐れがある。
だからこそ、
麻酔の使い方に精通する
必要があるのです。
それが僕らが催眠を深める理由です。
間も無く、
ミルトンエリクソンのセミナーを
一緒に学べる日が来ます。
画期的なことです。
では!