神崇仁 公式サイト

エリクソンの伝言

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約4分

今日はマンスリーウェビナーでした。

6月をお休みしたので、
久々でした。

ライブで参加してくれるのが
本当に嬉しい。

やっぱり、オンラインとはいえ、
ライブでやるのが一番です。

今日すごく感じたこと。

誰も間違えてなんかいない。

ということ。

もし、あなたのところに、
電話がかかってきて、

「私なんかには、会って
 くださらないでしょうけど。」

そんな卑屈な言い方をして、
電話で予約してきた人がいたら。

そして
あなたに会うやいなや、

「私なんて生きている価値がない、
 父も死に、母も死に、妹も。
 私に残されたものは何もない。」

そういう人がいたら、
なんと言って言葉をかけるでしょうか?

今日、集まってくれた
探求者の回答に僕は感銘を受けた。

みんな人それぞれ、
異なる答えだけど、

クライアントのことを助けたい

そんな想いが
伝わってくる回答でした。

参加者は経験者から
初心者まで多様な面々。

では、なぜ、

素晴らしい想いがある人たちが
うまくいく時と、
うまく行かない時があって、

「このままじゃダメ。」

「もっと学びたい」

と思うような結果を
味わってしまうのか?

それは共感するという態度
それを代表する『傾聴』という
行動で解決するものではない

クライアントの変化を生むために、
現状からどのような
セッションの道筋を進めば良いか。

それを考え、その道標を
会話を通してさりげなく
クライアント自身が
選び取って進んでいる

クライアントが自ら、
『変化の実感』を感じるような関わり。

これを行う必要がある。

そのために必要なのは
『伝える』ということ。

ただ、伝えるのではなく、

効果的に伝えるということ。

残念なことに、
うまく行かない経験をしている
支援者の多くは、

『伝える』を研究していない。

学ぶ機会がなかったのです。

なぜなら、『伝える』は
これまでずっと『操作的』
蔑まれてきたから。

アンコモンセラピーの著者
ジェイ・ヘイリーは著作の中で
こう述べています。

今世紀前半を通じて治療者たちは
治療で起こる出来事を企てることを避け、
患者が何か言ったりしたりするのを待ち、
治療者はそのあとに初めて
行動を起こすよう訓練されてきた。

精神分析、ロジャース学派、
精神力動学派などの影響を広くうけて、
途方にくれて助けを求める人々に対して
治療過程で何が起こるか
決定させるというやり方を
これまでは行なってきた。

治療者は受動的に振る舞い、
患者が言ったり行なったり
することに対して、
ただ解釈したり
そのまま返したりすればよい
とされてきた。

そして患者や問題の相違とは無関係に、
ただ一つのアプローチを行なうのみであった。

問題に焦点を当てて目標を定め、
その人の生き方に意図的に介入したり、
治療の効果を吟味することは
「操作的」と見なされてきた。

まさにエリクソンはその論争と
非難の中にいたのです。

だから
アンコモン=普通ではない
セラピーと異名がついたのです。

しかも
エリクソンのやり方は効果的だった。

たった数語人の話を
耳にするだけで

どのように接したら良いかを見抜き、

そして相手に相応しい語り口で
会話を進める。

それは受容的で、共感的なこともあれば
攻撃的で、侮辱的なこともあった。

それでも、エリクソンと
クライアントは瞬間的に
ラポールを築き、

その後の催眠により
己の信念体系を緩め、

セッションルームを出た後、
変化のための行動を通して
自己の信念体系を変えたのです。

エリクソンは、
僕たちにこう言いました。

過去の洞察をするため
患者は心理療法を
受けにくるのではない。

今現在に不満があり、
これからを生きやすいものに
するために
来るのだと。

そのための関わりを
会話を使って行う。

一方的に聴くでもなく
相手の心にある変化の種を
芽吹かせるような会話を使って。

では!

この記事を書いた人

神 崇仁
しぐさと言葉の専門家 神 崇仁(Takahito Ko)
意識の成長の壁を越えるお手伝い

JR西日本伊勢丹バイヤー、経営企画室でUxと経営を学ぶ
7&i 生活デザイン研究所 チーフディレクター(消費者心理の研究)
2007年からNLP探求を始める(NLPトレーナー)
『砂漠の魔術師』(エリクソンの映画)のアジアプロデューサー
世界的コーチS.ギリガン博士の米国アシスタント
IAGC(国際ジェネラティブチェンジ協会)の日本代表
ハーバード大学R.キーガン博士や
数々のエリクソンのお弟子さんの日本での講座開催を主導
これまで13年、4200時間、6500万円を探究に投資してきた
参加者は『講座づくりの神』と呼ぶ…
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