さて、
あなたに質問です。
あなたが野球に
興味があるかどうかは
わかりませんが、
バットとボールの存在は
知っていると思います。
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野球のバットとボールが、
合わせて110ドルで売られています。
バットはボールよりも
100ドル高価です。
ボールはいくらでしょうか?
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すぐ答えは出ますよね?
10ドル
でしょうか?
この質問をあの3つの名門大学
ハーバード大学
MIT(マサチューセッツ工科大学)
プリンストン大学
いわゆる優等生たちに
質問したところ
正答率が50%以下でした。
10ドル=間違えた答えです。
もちろん、僕も間違えました。笑
しばらくしてから
もう一度やりました。
やはり間違えました。笑
人は往々にして
計算ではなく、
直感で答えを出します。
そしてその直感は
わかりやすいものに注目して、
ざっくりとした判断を下します。
この例でいくと、
合わせて110ドル
差額は100ドル
それを見た瞬間に
『差額は10ドルだ』と
直感で結果を出します。
ちなみに、
ボールが10ドルになると
差額が100ドルなので
バットは110ドルとなり
バットとボールを合わせて
120ドルになってしまう…
???
最初
どうして合わないのか
不思議でなりませんでした。
ボールの正しい答えは
5ドルです。
バットが105ドルで
二つ合わせて110ドル
そして差額は100ドルです。
あなたの直感は
正しい答えを引き出せましたか?
ひょっとしたらあなたも
もうすでに
気づいているかもしれませんが、
実は僕たちの心は、
外部の世界のことを、
正確に知覚できない。
認知のバイアスがある。
バイアスとは歪みです。
それはあなたが
不誠実
不真面目、
能力不足
軽率
ではなく、
そもそも僕たちが
本能的に持ち合わせた
能力にその歪みがあるんです。
別の見方をすると、
このバイアスというのは、
ほぼ全員に備わっており、
その歪んだレンズで、
世界を見ている。
だから
誠実さとか、
向き合うとか
そういう気持ちが
あったとしても、
対人支援の文脈においては、
ただ『聴く』ことでは
相手の世界を知り得ない。
だって
相手も歪んだレンズで世界を見て、
意味をつける。
そして支援者はその言葉を
歪んだレンズを元に知覚して
意味をつける。
二人の間に伝言ゲームが
発生するのです。
だからこそ、
『聴く』だけじゃない
関わり方が必要になる。
ましてや
『聴くが8割』みたいな
質より『量』の概念は
支援の会話において通用しない。
世の中の支援者の多くが、
他者の世界を共感し損ねる
傾聴の限界がそこにあるわけです。
エリクソンが
それを知っていたかどうか
わかりません。
でも、エリクソンは、
歪んだ世界を引き出して
それを建設的に方向づける。
その言葉がけに心を砕きました。
その話はまた。
では!