彼らには『お客様』っていう概念が
ないのかねぇ…
今日も
トランスキャンプの会場から…
世代を超えてしつけられてきた
感情の殺し方…
そしてその感情を
適切に解放するセッションが
日々繰り広げられています。
あまりのエネルギーの凄さに、
感情の流れに敏感な人は、
自分のことでもないのに
具合が悪くなって、
床に伏せって嗚咽してたり…
みんな人それぞれ、
深い人生を送ってるんだなと
しみじみと自分のことも
思い返しています。
昨日、言われたんですよね。
ニューヨークで活躍している
有名なアクティングコーチの
ハリーさんに…
「なんであんなに
素晴らしい歌を歌えるのに、
やめてしまったんだい。
今からでも遅くない、
絶対にやらなきゃダメだよ。
タカヒトは誰にもない
すごい才能を持ってるんだよ。」
ブロードウェーや
テレビで活躍する俳優さんの
演技指導をしているハリーに
そこまで言われるなんて、
我ながらすごい…と思いましたが。
それと同時に
なぜ歌うことを諦めたのか、
その苦い思い出を否応なしに
思い出してしまいました。
昔ね、ニューヨークで
プロの歌手になろうと
頑張ってた時期がありました。
あるとき、
ほんとラッキーが重なって
すんごい有名な
コーラスグループのステージに
出演させてもらった時のこと。
大喝采でした。
僕以外全員が
アフロアメリカン、
黒人です。
そんな中で歌った心意気が
評価されたんですね。
だからたくさんの人に
ビールを奢ってもらいました。
でも、一人だけ
不愉快だった人が。
その彼はメインゲストの
コンサートが終わった後、
片付けをしてる舞台の隅で
お客を楽しませるために歌う、
駆け出しの若者でした。
年は18歳。
「お前はただラッキーなだけ。
ただ日本人というだけ。
なんの能力もない。」
彼にはっきりそう言われました。
なんの苦労も無しに、
ラッキーチャンスをもらえた僕が
羨ましいのと同時に、
妬ましい気持ちも
あったんでしょうね。
ほんとに辛辣でした。
で、彼の歌を聴いたら…
レベチでした。
18歳でこんな情感ある歌を
ここまで上手く歌えるって
『血』には勝てないな。
その時はっきりそう思いました。
無力感というか
無能さというか…
誰にでも挫折と、
圧倒されるくらいの
才能の違いを思い知らされたら
そうなりますよね。
実力の違いを
思い知らされた僕は、
諦めて帰国することに。
元々持ってるものって大事。
アメリカの寿司屋で
衝撃的なものを見ました。
一目で韓国人とわかる板前
店自体が韓国語で溢れたお店
サンディエゴにある
お寿司やさんのほとんどは
韓国系だそうです。
その一つで今日
目の前の板前が
サーモンの塊を落としたんです。
ボトって音まで聞こえました。
そして
彼はバツの悪そうな顔をして
先輩の板前の目線を辿りながら
僕の視界から消え、
再び視界に現れた後、
流しの前に移動して…
そして
僕たちの前に移動して
目の前のガラス張りの
カウンターに魚を戻した…
これ落とした魚を
洗って元に戻したってこと。
すごいことです。
人生で初めて見ました。
お寿司というもの、
なまものに対して
お魚に対して、
文化の違い、
国民性なのか、
それとも会社の方針なのか
いずれにしても僕にはありえない。
まさに『血』が許さない。
そんな出来事でした。
その場で食事を切り上げ、
そうそうに店を後に。
なんともお腹が気持ち悪い。
僕らが食べた
さほど美味しくないあれも、
ひょっとしたら床に落ちたものかも。
そう思うと
気持ち悪くてしょうがない。
まさに『血』の違いを感じました。
いろんな人がいますね。
では!