『コーチング4.0』レター 第5話
昨夜の
『コーチング4.0』のライブ見ました?
https://www.youtube.com/live/9X9_gpPFB3E
すんごい面白かった!
マミ先生こと中西麻美さんと
2人の女性トランスコーチャーが
登壇して、
和気あいあいと
トランスコーチングと
自分の人生の関わりについて
話していました。
僕が話すときより
コメント欄も賑わっていて、
「どういうことなんや」と
思いながら、
僕もそのノリに加わりながら
楽しい時間を過ごしました。
「面白い」っていう感情に対して、
「なんで面白いのか」と
考えたりしますか?
基本的にはしないですよね。
だいたいのところ、
感情というものに対して
「なぜそう感じるのか」と
問いかけて意識的に
答えを出そうとしても、
「だって何々だから」といった
後付けのバイアスや、
後付けの言葉が出てくるに
過ぎないわけです。
感情って、
理由が意識的になるもの
じゃないんですよね。
よくマーケティングの世界で
「感情を動かせ」とか
言いますよね。
で、「感情を動かせ」って、
じゃあどうするのっていう
話なんです。
多くの人たちが
あたかも直接相手の心
(例えば胸や腹の中)に
手を突っ込んで、
その感情というものを
揺さぶろうとしますが、
それは実は
土台無理なんですね。
「感情を動かす」というのは
単なるレトリックに過ぎず、
それを他人がするというのは
不可能なんです。
なぜかというと、
感情というのは
複雑な人間の心の中の、
そして体の中の活動が
合わさった産物だからなんですね。
だからコーチング 1.0 は、
感情を、内なる声を
鎮めるという方向、
つまり瞑想や呼吸を
落ち着けることによって
鎮めるという方向だけを
意識したわけです。
コーチング 2.0 に至っては、
再現性の観点から、
それはなしにしようと
決めました。
そしてコーチング 3.0 は、
まさにマーケターが誤解した
「感情は動かせるもの」と同じように、
感情というものを
あまり深く考えずに
GROW モデルで何とかできるものと
考えました。
それがうまくいかなかった時には、
その落としどころとして、
自分たちの決まった診断、
そしてその診断から決まった流れに
落とし込んで解決策を提示するという
コンサル方式を取ったわけです。
でも実際のところ、
それでは感情って
クリアになりません。
感情というものが
建設的な形で
自分の人生の中に
収まっていく、
というふうには
ならないんです。
そして多くの場合、
人は感情に駆られて
動きます。
エド・シーランという
世界的なシンガーがいます。
素晴らしいミュージシャンで
僕も大好きなんですが、
今彼が窮地に陥っているのを
ご存じでしょうか。
そしてそれは、
感情がなせる業だったんです。
詳しい経緯には
政治的な話も絡み、
前後関係の説明も
少しややこしくなるのですが、
前座を務めていた
ミュージシャンの一人で
親友でもある
マックルモアというラッパーが、
ステージ上で
自身の政治的信条を
口にしました。
もともと
政治的な見解を含む楽曲が
多いラッパーでは
あったのですが、
曲としてではなく
メッセージとして
政治信条を訴えたのです。
多くの人に伝えたいという
感情に基づいて、
エド・シーランの前座という場で
それを大声で言ってしまったんです。
前座…なのに。
あるフットボールスタジアムで
行われた公演での
この発言を聞き、
別のスタジアムのオーナーが
激怒しました。
マックルモアとは真逆の
政治スタンスを持つその人物は
大富豪たち、
つまりほかの
フットボールスタジアムの
オーナーたちと結託し、
「マックルモアを
ステージに上げるのであれば、
俺たちのスタジアムは貸さない」
と通告したのです。
つい1週間ほど前の話です。
これによってエド・シーランは、
ツアーをキャンセルして
ファンをがっかりさせ
自身に莫大な損失を与える、
結果として大富豪による
言論の検閲に屈するか、
それとも親友であり
前座アーティストである
マックルモアを守るかという、
重い決断を迫られました。
そして彼はほどなくして、
友人を切る
(ステージに上げない)
という決断を下したのです。
しかしその決断をした瞬間、
前座を務めていた
ほかのすべてのバンド、
さらにはエド・シーランの
バックバンドのメンバーも
全員がツアーを辞退し、
エド・シーラン自身が
猛烈な批判に晒されることに
なってしまいました。
今、エドシーランは
完全に一人でツアーを回している
前座も、バックバンドもなし。
そして
非難が多く寄せられているのだそう。
フットボールスタジアムの
所有者も、
エド・シーランも、
マックルモアも、
そしてそれぞれの
バックバンドのメンバーも、
全然違う動機に基づいて
行動しましたが、
少なくとも共通しているのは、
全員が自分の感情に基づいて
行動したということです。
そしてその行動というのは、
他者からの影響を
受けたものでした。
じゃあ、感情に
直接触れられない時に、
一体人は人の何に触れるから
感情が起きるんでしょうか?
それは『価値観』です。
その人が
生まれてこのかた
経験的に大事にしてきた
物事の基準。
これは
感情に直結しています。
それと同時に、
人は心の中にイメージを作ります、
人間の感情、行動などの活動に
先立って生まれる心のイメージ
=表象です。
その表象の描かれ方に
心の中にある価値観は、
常に強い影響を与えます。
その価値観に影響された 表象が感情を生みます。
僕たちは感情に
直接触れるのではなく、
表彰に影響を与えることで
結果的に感情を動かすことになるんです。
次回は、コーチング 4.0 が
どのように、「感情」に触れて、
安全にセッションを作っていくのか
についてお話ししたいと
思います。
では。
神 崇仁(こう たかひと)/このページはメールでお届けした文章です。