『コーチング4.0』レター 第6話
こんばんは、神 崇仁です。
今日もコーチング4.0
トークライブ“祭り”
二人のユニークな
施術家さんとのライブでした。
https://youtube.com/live/0cORcl95nj8
さて、昨日までのおさらいです
「コーチング3.0」の話の中で、
感情を動かせないのが
コーチングの仕組みだと話してきました。
そして、どうやって
感情を動かすのかという疑問に、
今日答えていこうと思っているんです。
「感情を動かせ」って、
本当に昔から
よく聞く言葉ですよね。
でも、僕は
「それ、できないよ」と
ずっと言ってきてるんです。
感情を直接動かすと言っても、
実際には感情って
何かの産物なんですよね。
もちろん感情が
何かの産物であると同時に、
その感情が
その後の行動や物事の考え方に
影響を与えるというのは
間違いないことです。
でも、感情そのものというのは、
ポケットにもともと入っていて
「すぐにそれを使おう」と
取り出せるようなものではなくて、
何かの結果として
生まれるものなんです。
じゃあ、一体何が
感情を作り出すのか。
これには色んな捉え方が
あります。
例えば:
・感情と言われるものは、
生化学的なホルモンが
作るんだという人もいるでしょう
・自分の心の内側の内部対話、
内省が作るんだという人もいます
・あるいは文脈や状況が
作るんだという人も
いるかもしれない
多分、どれもその通りなんだと
思うんですよね。
ここは理論の正確さ
ということではなく、
僕が考えていることを
お伝えしようと思います。
それは何で作られるかというと、
今言った3つの側面と同時に、
それによって僕たちは
心の中にあるイメージを作ります。
何かをするときには
「心象」という心のイメージを
作っていて、
この心象というものが
僕たちの行動の規範となる
イメージになるわけですね。
このイメージに影響を与えるのが
先の3つの要素でしょうし、
この心の印象は感情そのものにも
影響を与えます。
もちろん、そんなに綺麗に
順番にできて上がるわけではありません。
瞬間に与えられた刺激、
情報の断片、表象、感情、
そして価値観、
こういったものが全部
ほぼ同時に立ち上がって、
僕たちはそこに意味をつけていくわけなんですね。
感情というのは状態の変化なので、
感情を動かそうと思ったら、
クライアントが今いる現状から
別の心の状態への変化を
後押ししなければ
いけないわけですね。
アメリカのハーバード大学でも
研究を行った神経科学者の
リサ・フェルドマン・バレットは、
最新の感情理論を提唱しています。
昔の感情理論によると、
悲しみには悲しみの感情があり、
怒りには怒りの感情がある、
というように感情にはそれぞれ
指紋のようなパターンや
固有の回路(ルート)が
存在すると考えるのが
当たり前とされてきました。
しかし、今はそうでは
ないんですね。
現在の理論では、
心の状態というものは
「今の文脈や状況に
照らし合わせると
こういう意味なんだ」という、
意味づけによって
構築されると考えられています。
脳が経験をパッと
分析したときに、
「これはこういうことで、
次にこんなことが起きるよな」
と先回りして予測します。
そして、その予測に従って
感情としての意味を与え、
僕たちはそれを
「怒り」や「悲しみ」
「不安」といった
ラベルとして作り出して
いるわけです。
じゃあ、どうやって
「この状態はこういう状況なんだ」
とその状況に
方向づけができるのか。
それをするのが、
心の中の表象、
心の中のイメージなんですね。
心の中のイメージが
感情を動かすわけですから、
今とは違う状態に
動かしていくことを
考えたときに、
この表象をどのように
違うものにできるかというのが、
行動を引き出す
最も重要な鍵になります。
そして僕たちがやりたいのは、
無理やり感情を動かすことではなく、
クライアントの心の中で
その表象に生まれた
小さな変化を見つけることです。
その変化に注目してもらう
ことによって、
自然な形で増幅させ、
そこにクライアントが
没頭するよう誘おうと
考えるわけです。
そこで僕たちが
何をすると言ったら、
クライアントの言葉になる前の
小さな動きを観察する
ということなんです。
このほんの小さな動きが
出たときというのは、
心の中にひとつの表象が現れ、
当然そこに感情が生まれた
瞬間です。
まだクライアント自身も
気づいていない間に、
僕たちはその兆しを観察し、
そこに注目が集まるように
会話を進めていきます。
これはクライアントの中から
自然に出てきたものなので、
何か操作をしているわけでは
ありません。
本人が気づいていなかったものに
注意を向けた瞬間に、
それが極めて強い形で
増幅されていくように
誘うわけです。
誰かが言った言葉、
たとえば「人に対して
劣っていると感じる」と
いったものを、
「それは無力感ですね」と
見当違いな形で
意味をすげ替えていく関わりとは
全くわけが違います。
これはブロックを解除するときに
よくあるパターンで、
こちらの都合に合わせた用語に
クライアントの言葉を
無理やり当てはめていく
やり方です。
一見うまくいきますが、
そもそもクライアント自身が
その言葉にフィット感を
感じていないため、
長続きしません。
僕たちは言葉になる前の「それ」に
意識を向け、
その感情を
どのような感情として捉えるのか
というプロセスにさえ
影響を与えていこうと
試みています。
観察して、
小さな変化を発見して、
そこにクライアントが注目するようにいざなう。
そして、注目することで
それが自然な形で増幅する。
さらに、そこに建設的な意味を
加えていくように関わることで、
クライアントの感情そのものが変容していく。
そのような関わり方をする。
それが「コーチング 4.0」の
やり方になります。
神 崇仁(こう たかひと)/このページはメールでお届けした文章です。